2005年 10月 16日
“ヒゲ”は何のため? |
昨日、お話した酒米「渡 船」の稲穂の先のヒゲの部分、「ノ ゲ」(または「ボウ」とも呼びます)」)について、多くの方々からメールで「もっと、詳しく知りたいのだが・・・・」とお問い合わせを頂きました。
この 「ノゲ」は「渡 船」のような品種改良がなされていない、野生に近いイネに特徴的に見られるものです。
本来、イネは野生のものなので、秋になれば実った種子を自ら地面に落とし、次世代を残そうとします。
その際、イネは豆類などのように、土に埋まってしまったり、また、水草のように水におぼれてしまったりしては発芽ができません。
そこで、この「ノゲ」があることによって、埋まったり、おぼれることなく適度に地面からの距離を保って接地し、来春の発芽につながってゆく訳です。
よって、「渡 船」に「ノゲ」が出ることは、より原種に近い品種であることの証明なのです。
「ノゲ」の有無は米の品質とは関係ありませんが、これがあると、収穫・脱穀等の際、作業がしにくいので、現代に改良され登場した品種にはこれがありません。
ちなみに、酒米「山田錦」は父親がこの「渡 船」 ですが、長男「山田錦」には「ノゲ」はありません。
『まだまだ、息子には “ヒ ゲ”なんぞ生意気じゃョ!!』
by taka_homare
| 2005-10-16 07:43
| ・酒米を育てています。